2012/11/18 高崎Bセンスさんぽ・倉渕編 実施レポート
日 時: | 2012年 11月18日(日) 9時45分~16時00分 |
天 候: | 晴れ |
コース概要: | 倉渕小学校を起点・終点とし、地区内の雑木林、畑、集落を巡る。 |
コースリーダー: | 丹羽牧人 |
レポーター: | 丹羽牧人 |
データ: |
高崎コースはBセンスさんぽ初めての里山コース。コースが設定されたのは、高崎市とはいっても数年前の平成の大合併以前は「倉渕村」という名だった典型的な中山間地である。村はかつて草津街道とよばれた三ケタ国道に貫かれており、草津の湯治に向かう人たちの宿場町でもあった。今回のコースは、倉渕地区唯一の小学校である倉渕小学校を起点・終点とする標高500-600m、長さ約3kmのもので、景観から大きく4つのゾーンに分けた。
① ぞうきばやしのゾーン
② 街道筋のゾーン
③ 畑のゾーン
④ 集落のゾーン
である。
ゾーン①は田畑や尾根筋の雑木林、②は宿場町として栄えた県内最古の造り酒屋や地粉のそば店がある街道沿いの集落、③はゆるやかな南向き斜面に広がる畑地、④は畑や田んぼの脇の住宅地である。このゾーンごとに記録をとり、それぞれのゾーンの特徴をみてみることにしたのだ。
識別チャートは、里山編専用のものを用意。当初、Aから始まる「身近な植物」「大きな木」等のカテゴリー分けも専用のものにする案もあったが、他のコースとの比較ができるようにするために、カテゴリー分けは他コースと同じにしてレーダーチャートで比較できる形とした。
・印象的なBセンス事例
季節は晩秋であり、ムラサキシキブ、マユミ、スミレ、マムシグサ、柿、栗等の実が鮮やかだった。当地は利根川の源流部でもあり、水は上質で豊富。造り酒屋や水田でこの水を利用しているのは当然だが、防災や日常生活も豊かな湧水が利用されている例が目立った。また、県内最古のものを含む道祖神がたくさんある地域であり、いたるところに道祖神をみることができる。
・実施してみた感想
実施後レーダーチャートを作成し、はっきりわかったことは②街道筋のゾーンのポイントが圧倒的に高いことだった。①がそれに続き、③、④はポイント数的はかなりさびしいものとなった。一般的イメージでは畑地はかなり生物性が高いようにも思うが、参加者の目に留まったBセンスは意外に最も人くさい・・・、というよりも日常くさい場所で最も高ポイントだったのだ。
里山は一般に生物多様性が高いといわれる。しかし、それは「里山」という田畑や雑木林、集落や社寺林といった要素が組み合わさったスケールで認識できるものかもしれない。日常の目線でさんぽをする、というスケール感では、やはり人間生活のスケール感のものが目に入るように思う。生活の場において、町でも田舎でも、ヒトは当初思っていた以上にBセンスなものを利用し、また生活の中に引きこんでいるのだなぁ、と改めて感じた。
なお、実施に当たっては、倉渕公民館と倉渕小学校、さらには牧野酒造(株)と田舎そば「りく」さんの親身な協力をいただいた。この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。